青春文學バンド"BURNOUT SYNDROMES"の魅力
画像出典:https://youtu.be/FQIkR-dGZrY
2010年前後の「閃光ライオット」をリアルタイムで見てきた世代にとっては、スリーピースバンド「BURNOUT SYNDROMES」はなじみ深いのではないでしょうか。
2005年に結成された彼らは、独特の情景美を持った歌詞の世界観と、それを色鮮やかに表現するサウンドを持ち味に、いわゆる「文学ロック」と呼ばれるジャンルの系譜を継ぐバンドとして、じわじわと話題を集めてきました。
10代の頃から閃光ライオットの準グランプリを獲得するなど注目され、2014年には初の全国流通盤「世界一美しい世界一美しい世界」をリリース。
続く2ndアルバム「文學少女」がスマッシュヒットを記録し、2016年3月には遂にメジャーデビューを果たすなど、順調に邦楽ロックシーンを駆けあがっています。
そんなBURNOUT SYNDROMESの音楽と、その詞世界を紹介していきましょう。
BURNOUT SYNDROMESの代名詞とも言える一曲”文學少女”
「文學少女」は、BURNOUT SYNDROMESの全国流通盤2ndアルバム「文學少女」の表題曲になっています。
「青春文學ロックバンド」を名乗るBURNOUT SYNDROMESにとっては、代名詞とも言える一曲です。
静かな文學少女と「僕」の物語を描いたこの曲は、「名前はまだない」「斜陽」「こころ」「限りなく透明に近いブルー」など、文学にオマージュを受けた単語や言い回しが散りばめられていて、文学好きならニヤリとさせられるストーリー描写が印象的です。
青春のストーリーを名ワードと混ぜて描き上げた世界観は、どこか危うくて甘酸っぱい空気感を感じさせます。
曲の一番の主役である「歌詞」を表現することにこだわり、NHK Eテレの「テクネ 映像の教室」でも紹介されたというMVにも注目です。
バンドの知名度を押し上げたアニメ主題歌”花一匁”
「花一匁」は、アニメ「銀魂」のエンディングテーマに起用されてBURNOUT SYNDROMESというバンドの知名度を一躍押し上げた一曲です。
「文學」であることを意識した歌詞にはどこか古風な趣があって、アニメの和風な雰囲気ともマッチしています。
それでいて、疾走感のあるサウンドやキャッチーで耳に残るメロディはしっかりと現代的な邦楽ギターロックの色味を含んでいて、そこに童謡「花いちもんめ」のメロディを含んでいたり、「銀魂」の代名詞的なバンド「DOES」のかつての主題歌を意識したような表現もあったりと、様々なオマージュが見てとれます。
長寿アニメである「銀魂」の数々のテーマ曲の中でも、屈指の人気を誇るBURNOUT SYNDROMESの名曲です。
BURNOUT SYNDROMESメジャーデビューシングル”FLY HIGH!!”
「FLY HIGH!!」は、BURNOUT SYNDROMESの記念すべきメジャーデビューシングルになった曲です。
突き抜けるような爽快な空気感が魅力のこの曲は、アニメ「ハイキュー!! セカンドシーズン」のオープニングテーマにも選ばれました。
インパクトが強くキャッチーなメロディとバンドの最大の持ち味である文學的な表現が混ざり合って、若さと青さに溢れる衝動の中にも、知的な雰囲気が感じられます。
バンドとしての表現力の可能性を感じる”i am Beethoven”
自主製作シングルとしてリリースされた「i am Beethoven」は、初期の隠れた名曲としてファンから知られています。
その曲調はシンプルな疾走感のある最近の作品とは違って、変拍子やポストロック的なフレーズなど、テクニカルなアプローチが多くなっています。
歌詞は一人の人間の感情変化を緻密に辿っているような表現で展開されて、まるで一冊の文學小説を通して主人公の生き様を観ているような気分になります。
BURNOUT SYNDROMESの中でもややマイナーな曲となっていますが、歌詞にもサウンドにもバンドの表現力の可能性が感じられる名曲です。
BURNOUT SYNDROMESの魅力は、とにかくその歌詞の表現力に尽きます。
まだ20代とは思えない成熟された情景描写のテクニック、大胆さと繊細さを併せ持った表現センス、それを最大限にエモーショナルな形で音楽に作り上げるサウンドとメロディ。
そんな要素が合わさって生み出される世界観は、同年代の邦ロックバンドの中でも圧倒的な個性と存在感を放っています。
一味違った邦楽ロックを求めている方は、ノスタルジックで全く新しい彼らの音楽を一度は聴いてみましょう。
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