aintが1stミニアルバム「灯」で見せた進化

画像出典：https://youtu.be/vIrLshRvoXM

福岡県久留米市を中心に活動する5人組ロックバンド、aint。

男女ツインボーカルにシャウトが合わさるトリプルボーカル、そしてトリプルギターを武器に、鋭利で激情的なオルタナティブロックサウンドで話題を集めている要注目の若手バンドです。

名門インディーズレーベルのUK.PROJECT主催のオーディション「Evolution！Generation！Situation！Vol.2 supported by Eggs」でグランプリを獲得したことで知名度を飛躍的に上げたaintは、2018年6月にタワーレコード限定シングル「Moondrop/明日が来るまで」を、そして8月22日にミニアルバム「灯」をリリースしました。

今回は、全9曲が収録されたaint渾身のミニアルバム「灯」で彼らが見せた進化について、紹介します。

画像出典：https://www.amazon.co.jp/%E7%81%AF-aint/dp/B07DRLV5WJ

1stミニアルバム「灯」には、2015年に結成されたaintの、3年間の活動の集大成ともいえる全9曲が収録されています。

疾走感あふれるリズムワークと複雑なアンサンブルの中でクリーンボーカルとシャウトが折り重なって激情を表現した「君のこと」、彼らの注目度が高まるきっかけになった代表曲「アカシ」、自主製作盤シングルにも収録された「透明な世界」と「明日が来るまで」、始まりの一曲ともいえる初期からの名曲「hello」といった既存曲たちは、これまでの彼らの活動の軌跡を表しているといえるでしょう。

さらに、リードトラックとなる「Moondrop」、雨音から始まるイントロが印象的な「催花雨と踊り子」、テクニカルで静と動の展開が耳に残る「Alnitia」といった新曲たちが、バンドとしての新たな展開を描いています。

圧倒的な存在感とスケールを見せた「灯」は、aint初の全国流通アルバムとして、文句なしに傑作といえる名盤です。

1stミニアルバム「灯」の中でも特に注目したい一曲が、タワレコ限定シングルとしてもリリースされた今回の目玉曲「Moondrop」です。

UK.PROJECTのオーディションでグランプリをとった特典として、BIGMAMAの金井政人氏によるプロデュースを受けて製作されたこの曲は、特にサウンドメイクやアレンジの面で金井氏の影響を強く感じさせます。

これまでのaintの曲調とは一味違う挑戦的な要素、そして彼らの持ち味である激しいシャウトやベーススラップ、テクニカルなギターワークといった要素が合わさって、彼らの確かな個性と新たな一面を両立させた、渾身の一曲となっています。

YouTubeでMVも公開されているので、aintをよく知らない方は、まずはこの曲から聴いてみましょう。

今回のアルバム「灯」では、aintの、特にサウンド面での進化が顕著になっています。

まず、リード曲の「Moondrop」では、イントロからダンスミュージックを思わせるようなタイトなドラムやギターのディレイサウンドがくり出されて、バンドアンサンブルの構成で、これまでとは違った味わいを見せます。

サウンド全体やメロディで見てもよりキャッチーさが増していて、激情を爆発させるだけではない、計算されたドラマチックで壮大なスケール感が印象的です。

また、アルバム内でも大きなアクセントになっているバラード曲「催花雨と踊り子」では、繊細なアルペジオの重なりやVo.Gt.ニシダコウキとusakoの男女ツインボーカルが曲の主軸になって、aintの独特のバンド編成がより前面に押し出されています。

さらに、新曲だけでなく、再レコーディングされて収録された既存曲にも注目です。

aintの代表曲「アカシ」では、YouTubeでMVも公開されている自主製作盤と比べて、ギター1本1本のサウンドメイクや奥行き感がさらに練り込まれています。

サビではトリプルボーカルがより活かされた重厚なコーラスワークもくり広げられて、自主製作盤よりもさらに大きな盛り上がりが生まれています。

初期衝動の強いサウンドとはまた違った、成熟したバンドとしての完成度を感じられるのではないでしょうか。

メロディアスでキャッチーで、そんな中に確かなオルタナティブロックの魂を感じさせるaintの1stミニアルバム「灯」。

全曲捨て曲なしの、aint初の全国流通盤にふさわしい名作となっています。

全国のタワーレコードなどでも取り上げられており、彼らの注目度がこれからますます高まっていくのは間違いないでしょう。

全国のCDショップやAmazonなどの通販サイトで購入できる他、各種ストリーミングサイトでも視聴できる1stミニアルバム「灯」、是非手に取ってみてください。