Column コラム

バンド"ARTIFACT OF INSTANT"が見せた衝動

画像出典:https://youtu.be/Zj87y9Hl9oI

宮崎県出身のロックバンド、ARTIFACT OF INSTANT(アーティファクト・オブ・インスタント)、通称AOI(アオイ)。

2012年に結成された彼らは、Co.Gt.飯干達郎とVo.Ba.早衣子のメロディアスなツインボーカル、バンドのフロントを飾るGt.井上峻の圧倒的なテクニックと激しいパフォーマンス、それらをまとめ上げて一体感を生むDr.キモトリョウスケのプレイングによって瞬く間に話題を集め、一躍邦楽ロックシーンの最前線まで躍り出てきました。

2014年にはFUJI ROFCK FESTIVAL2014のROOKIE A GO-GOに選出されて出場し、その後もハイペースで公開されたMVは10万再生超えが続出。

一気にメジャーシーンまで上っていけそうな勢いを見せ、ブレイクまで秒読み段階に入っていたと言えます。

ところが、2016年11月にVo.Gt.飯干とVo.Ba.早衣子が脱退、ARTIFACT OF INSTANTは無期限の活動休止に入ります。

人気が絶頂を迎えていた時期の活動休止は、九州を中心としたライブシーンに大きな衝撃を与えました。

今回は、2010年代の邦楽ロック界を衝動的に駆け抜けていった彼らの楽曲を通して、その魅力を紹介します。

ARTIFACT OF INSTANTの魅力を世に示した代表曲”0℃”

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ARTIFACT OF INSTANT初のMVとして公開され、バンドの魅力を一気に世に知らしめた「0℃」。

ライブでもおなじみとなっていたこの曲のMVは、元からのファンにとっては待望の一作に、初めて彼らを知った人にとってはインパクトの強いキラーチューンになったのではないでしょうか。

変則的なリズム構成で一癖あるフックを生み出す曲展開、男女ツインボーカルで見せるエモーショナルなストーリー、そして一際目を引く、飛び跳ねるように暴れてギターをかき鳴らすGt.井上の動き。

サウンドはド直球の邦楽ロックながらテクニカルで凝ったアンサンブルも特徴で、ビジュアル的なインパクトもあって、一度観たら忘れられない衝撃を感じます。

まさに、ARTIFACT OF INSTANTの代表曲と呼ぶにふさわしい一曲ですね。

バンド最大のスマッシュヒットを記録した”不甲斐ない僕らは空を見上げた”

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「不甲斐ない僕らは空を見上げた」は、2018年8月時点でMVの再生回数が36万回以上と、ARTIFACT OF INSTANTにとって最大のスマッシュヒットを記録した一曲です。

王道の邦ロックバンドとしての熱量や疾走感が前面に押し出された一曲となっていて、いい意味ですんなりと聴きやすい、キャッチーでポップな雰囲気を帯びています。

それでいて、Gt.井上のリードギターをはじめとしたテクニカルな一面もしっかり彼らの個性として見せていて、一筋縄ではいかないパンチの強さもうかがえます。

ひとつのバンドとしてより洗練された印象の、爽快感溢れる名曲です。

他の曲とは一味違うバンドの表情をのぞかせた”EGO”

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2016年6月に公開された「EGO」は、それまでのARTIFACT OF INSTANTの公開曲とは一味違う雰囲気をまとった一曲です。

重たいドラムとバキバキのベースが絡み合うリズムワーク、不穏な響きで叫ぶギター、Vo.Gt.飯干の力強いボーカルに焦点を当てた歌メロが合わさって、刃物のように鋭い空気感を見せています。

ミクスチャーロックやオルタナティブロックの色が強い、バンドの新しい一面を見せた飛び道具的な曲になりました。

ARTIFACT OF INSTANTの激情を臨場感たっぷりに映すライブ動画も

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生粋のライブバンドということもあって、ARTIFACT OF INSTANTの魅力の真骨頂は、激情が爆発されたライブにあります。

楽曲「ともえ」のライブ風景を映したこの動画では、頭に固定するタイプのカメラで「ドラマー視点」からライブを観られるという、面白い試みがされています。

フロント3人のパフォーマンスやドラムの手元を普段は見られない視点から眺めることができるこのライブ映像。

ステージど真ん中で動き回るカメラワークは、彼らの演奏を臨場感たっぷりに疑似体験させてくれます。

今では観ることができない彼らのライブは、残された映像で目撃してその迫力を体感しましょう。


激しく疾走する激情を楽曲に変換し、テクニカルでエモーショナルなサウンドをくり広げたARTIFACT OF INSTANT。

なかなか活動再開の見込みは立たないようですが、彼らが残した数々の作品は、間違いなく邦楽ロックバンドシーンに大きな爪痕を刻んだのではないでしょうか。

彼らが見せた衝動は、活動休止から2年が経つ今でも全く衰えずに聴く人の感情を揺さぶってきます。

是非彼らの曲を聴いて、今からでもその魅力に触れてみてください。

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