Column コラム

「スロウハイツと太陽」の歌詞とセンチメンタルなサウンド

画像出典:https://youtu.be/VaNPrkELh_s

2013年に結成され、名古屋を拠点に活動する4ピースロックバンド「スロウハイツと太陽」。

その名前は辻村深月の小説「スロウハイツの神様」からとられています。

これまで多数の自主企画や自主制作音源のリリースを経験し、バンド名の由来となった「スロウハイツの神様」の舞台主題歌に楽曲が起用されたり、三重県議員の講演「生きるとはなにか」でライブ演奏を披露して読売新聞に特集されるなど、様々な角度から注目を集めてきた彼ら。

そんなスロウハイツと太陽の音楽の特徴は、王道の邦楽ギターロックをより切なく仕上げたセンチメンタルなサウンドと、諦めや後悔、不安、葛藤といった感情を叙情的に描いて聴き手の心を揺さぶる歌詞です。

味わい深いストーリーを描き出す彼らの楽曲を、実際に聴いていきましょう。

スロウハイツと太陽を代表する一曲”空蟬”

サムネイル

スロウハイツと太陽の魅力を体感するために、まずは2015年の公開以降、彼らの代表曲として知られている「空蟬」を聴いてみましょう。

この曲を聴いて多くの人が最初に思い浮かべる感想は、おそらく「切ない」ではないでしょうか。

イントロのギターフレーズの時点で一気に感情をかき立てられて、Vo.Gt.シミズ フウマの独特の響きがありながらも力強い歌声が、別れを描いた歌詞のストーリーを描き出して聴き手の心を揺さぶります。

それを支えるバンドのサウンドは真っすぐな邦楽ギターロックで、小細工一切なしで「メロディ」を聴かせるギターリフやアルペジオ、曲全体に緩急を生むベース、サビの4つ打ちで一気に疾走感を生み出すドラムが絶妙に絡み合って、歌のストーリーを彩ります。

邦ロックソングとしてド直球の王道でありながら、スロウハイツと太陽の個性である切ない世界観もしっかり見せつける名曲です。

歌詞のメッセージを真っすぐに伝える”本当につらくなってしまったあなたへ”

サムネイル

「本当につらくなってしまったあなたへ」は、一度聴いたら間違いなく記憶にこびりついて離れなくなるインパクトが特徴の曲です。

「空蟬」とはまた違ったベクトルでスロウハイツと太陽の個性を強く表した、彼らの代名詞ともいえる一曲になっています。

その最大の特徴は、詩のような言葉の羅列を語りの形で歌い上げていく、いわゆる「ポエトリーリーディング」と言われる手法を用いていることでしょう。

「拝啓」から始まるこの曲の歌詞では、居場所をなくしてまるで独り言のように辛さを吐露する「僕」の言葉と、それに対して実直に言葉を返す「私」の返事が描かれます。

「いじめ」をテーマにしていると想像されるこの曲は、歌詞の「僕」のような境遇にいる人を、どうにかして少しでも救おうとするかのような真摯なメッセージ性が感じられます。

ポエトリーリーディングという形だからこそ、メッセージがより真っすぐに伝わってくる、スロウハイツと太陽の中でも屈指の名曲です。

スロウハイツと太陽の新しい一歩になった曲”ラストシーン”

サムネイル

2018年5月に公開された「ラストシーン」は、彼らの新しい代表曲といえる存在です。

この曲がリードトラックとなった1st mini album「視えないカタチ」は、彼らにとって初の全国流通盤となり、新しい一歩になりました。

深いストーリー性とメッセージ性を兼ね備えた歌詞やセンチメンタルなサウンドといった彼らの個性はそのままに、ひとつの音楽作品としてより洗練された印象を感じられる一曲となっています。

持ち味である力強いポエトリーリーディングも織り込まれていて、まさにこれまでのスロウハイツと太陽の集大成と呼べる曲です。


多方面から大きな注目を集め続けてから満を持しての全国流通デビューと、ここに来て一気に知名度を加速させたスロウハイツと太陽。

これから彼らの楽曲はより多くの人の手元に広がって、より多くの人をその歌詞のメッセージで救っていくのではないでしょうか。

間違いなくメジャーシーンにまで登って大きな存在になっていく彼らは、邦楽ロックファンなら今から要注目のバンドです。

関連するイベント・ミュージシャン

 

LIVE & EVENT Searchライブ・イベントを探す

フリーワード検索
(ミュージシャン名・ライブ名など)
日付を選択
エリアを選択
ジャンルを選択

Musician Searchライブミュージシャンを探す

フリーワード検索
(ミュージシャン名・ライブ名など)
エリアを選択
ジャンルを選択

Page Up Page Up