ライブチケットの「取り置き」？メリット・デメリットを解説！

インディーズバンドなどのライブイベントでは、チケットがローチケやチケットぴあなどで取り扱われず、出演者やライブハウスへの直接予約でチケットを買うようになっているイベントも多くあります。

そんなインディーズバンドのライブ告知で、「チケット取り置きはリプライやDMで！」といったTwitterなどの宣伝文句を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ライブハウス界では一般的なこの「取り置き」システムですが、普段インディーズバンドのライブを見に行かない方からすると、「どういうこと？」と疑問に思ってしまうこともあるかもしれません。

そこで、今回は自主制作で活動するようなインディーズアーティスト界隈独特の「取り置き」システムについて、その仕組みやメリット・デメリットを解説します！

ライブチケットの「取り置き」とは、あらかじめ「あなたからチケットを買ってイベントに行きますよー」ということを出演者に伝えておけば、チケットを持たない状態で当日にライブハウスに行っても、前売り料金で会場に入れるシステムのことです。

出演者はイベント当日に、事前予約してくれたお客さんの「名前」と「人数」を「取り置き表」と呼ばれるシートに記入（「ヤマダさん：1枚」など）して、ライブハウスの受付に提出します。

そして、お客さんは「〇〇（出演者）から1枚取り置きしてもらってるヤマダです」と伝えて、前売りのチケット料金を支払って会場に入ることができます。

取り置きシステムの最大のメリットは「事前にチケットを受け渡しする手間が省ける」という点です。

チケット販売システムを利用しないインディーズバンドのイベントでは、チケットをあらかじめお客さんに渡すには「直接渡す」か「自分で郵送する」などの手段しかありません。

しかし、どちらもお客さんにとっては手間だったり、住所など個人情報の管理に不安があったりします。

そこで、「名前と枚数を伝えるだけで、チケット予約が完了する」という取り置きシステムが、お客さんの負担もバンドの負担も軽くする便利な仕組みとして広まっています。

もしライブ当日に行けなくなった場合、特にキャンセルなどをしなくても大丈夫なのも嬉しいポイントです。

「とりあえず行くつもりだから取り置きしてもらおう」と、気軽に出演者に連絡することができます。

バンド側にとっても、なかなか直接の受け渡しなどをできない方にもチケットを売ることができるので、より多くの人に気軽にライブを観てもらい、チケット売上を伸ばすこともできます。

便利な取り置きシステムですが、その便利さが時にはデメリットになることもあります。

前述したように「当日に来れなくなってもキャンセル料などもかからない」という点が、「当日になって来るのを止めるお客さんが相次ぐ」という事態につながることもあるのが、取り置きシステムの大きなデメリットとして知られています。

キャンセル料もかからず、既に買ったチケットが手元にあるわけでもないので、当日になって行くのを止めてもお客さんには金銭的な損は全くありません。

なので「後から他の用事を入れちゃった」「なんとなく面倒くさくなった」といった理由から、当日キャンセル、いわゆる「ドタキャン」が一定の割合で起きるのが取り置きシステムの特徴です。

「購入済みのチケットが手元にあるかどうか」というのは、お客さんがイベントに実際に足を運ぶかどうかの決断に大きく影響します。

取り置きの当日キャンセルが相次いで、実際の来場者数が見込み集客から大きく減ってしまった！という事態にならないためにも、できる限りチケットは事前にお客さんに渡してしまうのが良しとされています。

この取り置きシステムのデメリットとどう向き合っていくかは、これからのバンド界隈、ライブハウス界隈の課題のひとつでもあるでしょう。

小規模なイベントでは、もはや当たり前のシステムとなっている「取り置き」。

デメリットもありますが、インディーズバンドとお客さんを手軽につないでくれる便利な仕組みであることは、間違いありません。

「音楽活動をしている知り合いのライブに誘われた」「まだ売れてないバンドを好きになったので、ライブに行ってみたい」というときは、この取り置きシステムで気軽にチケットを予約して、実際にライブハウスに足を運んでみましょう。

新しい音楽との、運命的な出会いが待っているかもしれませんよ！