Column コラム

Acid Black Cherry”イエス”PVの意味を徹底解説

Acid Black Cherryが2012年にリリースした15枚目のシングル”イエス”。

曲がいいのはもちろんですが、ストーリー仕立てのPVも見応えがあり、様々な考察がなされています。

今回は意味深な、この曲の映像の世界観について徹底的に解説していきたいと思います。

連続リリースの最後のシングル

Acid Black Cherryが開催し、4万人を動員して伝説となったフリーライブ”ABC Dream Cup 2011”。

その中で、5カ月連続でシングルリリースすることが発表され、最後にリリースされた楽曲が”イエス”です。

”愛してる 愛しているよ”とストレートに愛を歌うこの曲はABCの楽曲の中でも抜群の人気を誇ります。

結末が分からない歌詞、不思議な世界観のPV。全てはタイトルに集約されています。

”イエス”というタイトルの意味

この曲は別れかけている、もしくは別れた彼女にもう一度想いをちゃんと伝えて、プロポーズをするというストーリーとなっています。

隣に居るときは大切さに気づかずそっけない態度をとってみたりしていたけど、失ってからようやくその存在の大きさに気づき、ずっと言えなかった”愛している”という言葉を送ります。曲中ではずっと雨が降り注いでいます。まるで2人とも泣いているかのように。

最後は「どうかこの指輪を受け取ってくれませんか?」と一言伝えてこの曲は終わります。

タイトルの意味、ちょっと分かりましたか?最後の”どうかこの指輪を受け取ってくれませんか?”という問いかけに対して、”イエス”と答えて欲しいという想いを込めているほか、教会に掲げられたイエス・キリストのことを指しているという説があります。

この曲はそんな想いが込められているということもあって、結婚式でも歌われることもあるくらい、Acid Black Cherryでは人気がある曲です!

それなら、PVもこの歌詞の世界観が踏襲されているはず…早速見てみましょう!

歌詞とPVの世界観

サムネイル

彼女じゃなくて幼女ですね。雨も降っていないです。まさか…幼女との恋愛ストーリー…!?

そんなことはもちろんありません(笑)

Acid Black Cherryの楽曲では、歌詞とPVの世界観がかなり違うことも多く、2つの世界観が交わっている点を探すのも面白いですよね。

yasuにはPVの世界観を歌詞の世界観と同じものにしたくないという思いもあるようです。

イエスがその典型的な例ですね。ただ、指輪というキーアイテムは共通しています。

映像の中ではどうやら指輪に見立てた赤いリボンがキーアイテムのようで、重要な意味を担っています。

繋がる2人の世界線

黒い服を着てフードを被って座っているyasu、それを見つめる少女。どうやらyasuは少女のことが見えていないようです。

少女がyasuをからかったのか、自分が身につけているリボンをyasuの前髪に結んであげます。

眠りから覚めたyasuは、目の前にいる少女の存在に驚きます。まるでここに居るはずなんてないと言わんばかりに。

ここで、yasuと少女が異なる世界に生きていることが意味されているのが分かりました。Acid Black Cherryらしい世界観です。

手を繋いだり、互いの存在を確かめ合う2人。しかし元々違う世界を生きていた2人に、タイムリミットがやってきたのです。

離れ離れになる2人、しかし…

仲良く過ごす2人の元に、もう1人の黒装束の男が現れ、少女を連れていこうとしています。

なんとなく死神を連想させるような不気味な出で立ちです。連れて行かれる少女も自らの運命を悟っているかのようです。

最後まで指を離そうとしない少女。抵抗虚しく離れ離れになる手と手。力なくうなだれながら離れていくyasu。

少女は真っ白なワンピースに着替え、黒装束の男に手を引かれながら階段を登っていきます。

その姿はまるでウエディングドレスを着た花嫁のように、また、死装束を着て送られる人のようです。

そして、一瞬病室で眠る少女のカットが入ります。

つまり、Acid Black CherryのイエスのPVの世界は現世と死後の世界の中間地点で、少女は病室で危篤状態、yasuと黒装束の男は死神ということが意味されてると分かります。

少女は死にかけていて、魂だけがこの中間の世界に来ていたのです。そしてyasuと出会って仲良くなりました。

yasuは本来なら死神としての職務を全うしなければいけないので、少女を死後の世界へと送らなければいけません。

しかし、少女の手の温もりや笑顔が忘れられず、生き返らせたいと思ってしまいます。

もうすぐ、少女と黒装束の男が扉の向こう側へ消えようとしているのを見て、yasuは死神の象徴である黒フードを脱ぎ去り立ち上がって少女を呼びました。

重い扉の鍵は”赤いリボン”

黒装束の男の手を振りほどいてyasuの元へと駆け寄る少女。確かめ合うように抱き合います。心優しい死神の中で、無邪気な少女の存在はいつしかとても大きなものになっていたんですね。Acid Black CherryのPVの中でも屈指の優しい雰囲気です。

yasuは、少女を現世へと続く扉の前へ連れていき帰らせようとしますが、扉は重く、開きません。

そこで、冒頭で少女にもらった赤いリボンを持っていることを思い出し、指輪の代わりに少女の左手の薬指に結んであげます。

少女は今度こそ重い扉を開け、光の向こう側へと帰っていきました。赤いリボンは死後の世界と現世を繋ぐための鍵の意味も持っていたのです。

現世へと戻った少女は病院のベッドの上で目を覚まし、母親と抱き合います。

その左手の薬指には、心優しい死神からの贈り物がありました。

最後に指輪に見立てた赤いリボンを受け取ったことで、少女は生き返ることができたのです。


ここまでAcid Black CherryのイエスのPVについて徹底的に解説してきましたが、歌詞の世界観と大幅に違うということが分かったと思います。

全く繋がっていないようで絶妙にリンクしていて、まさに2度美味しい作品だと言っても過言ではないですね!

側にいる人の大切さは失ってから、失いかけてからやっと気付くから、その手は離してはダメだというメッセージが伝わります。

この解説を見ながらもう一度PVを見てみてください。新しい発見や意味されていることに気付けるかもしれませんよ!

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