Report ライブレポート

まるでニューヨークのレストランライブ!田添香菜美

今回のライブレポートは、2015年12月22日に福岡市のDOMUSフォカッチャーバーで行われた田添香菜美のクリスマスライブ。

田添香菜美は、福岡で活躍中のシンガーソングライターだ。

彼女の楽曲と歌声には毎度のことながら、本当に癒される。

今回はギターリストに同じく福岡で活躍中の清水康弘を迎え、盛大に行われた。

画期的なコラボライブ企画

実は今回のライブには、画期的な試みがあった。

それはなんと、音楽と写真とのコラボ企画だ。

数々のフォトコンテストなどで受賞経験のある写真家の岩男海誠氏が撮影した美しい風景写真をスライドに映し出し、その写真をバックに素敵な生演奏と歌声をお客様にお届けするといったものだ。

ライブ全体の様子

ライブの様子は、日本でよくありがちな「静かに黙って聴け」というスタイルではなく、立食形式の完全なフリースタイルで行われた。

会場のど真ん中で田添香菜美と清水康弘による素敵なパフォーマンスが行われ、お客様は生演奏BGMの中、食事と会話を楽しんだ。

ライブのセットリストは、田添香菜美のオリジナルから、邦楽、洋楽の名曲カバーまで様々。もちろんクリスマスにちなんだ名曲もたくさんあった。

特に感動的だったのは、田添香菜美のオリジナル曲「年末のうた」だ。

そのなんとも言えない切なく、優しい歌詞に、それぞれの人がこの1 年を振り返り、噛みしめるように聴き入っているようだった。

<年末のうた>

寒さのせいね

いつも決まって

なぜか惨めになる年の瀬

どことなく置いていかれたような

気持ちにさいなまれます

 

慌ただしさを尻目に

物想いに更けたりしたら

忘れてそうな素晴らしいこと

指折り数えてみましょう

 

今年も終わるね

色々あったね

何で笑って 何で泣いたかしら

手に入れたものも

なくなったものも

私をかたちどる

大切な足跡

ステージの合間に起こった素敵な出来事

ライブは計2ステージであったが、ステージの合間にDOMUSフォカッチャーバーのオーナー、アントニオ氏がマイクをとり、突然のMC開始!

歌声と写真のコラボに感動したらしく、カタコトの日本語で熱く語り出した。

その内容は、

「情熱あるアーティスト、才能あるアーティストが活躍できる場を私達は絶やしてはいけない。私達みんなで応援していきましょうね!」といったものだ。

田添香菜美の歌声と楽曲はもちろん、岩男氏の写真も絶賛。

何度もスライド写真を振り返り、一つひとつ写真の感想をアントニオの口から

お客様に伝えていた。そして、脇役だと思っていた自分にマイクが向けられ、突然のことに驚いた様子の岩男氏。

緊張しながらも自分の写真の見どころポイントを一生懸命伝えていた様子が印象的であった。

最後は会場が一つに!

2ステージ目が始まり、お客様のテンションはMAX。

なんとレストランの外にも見物客が溢れるほどの賑わいになっていた。

最後の曲が終わり、自然とアンコール。そしてアンコール曲が終わってから、また2回目のアンコール。

最後はSMAP名曲「セロリ」でお客様も、道に溢れる人たちも一緒に大合唱。

その様子はまるで日本にいながら、ニューヨークのライブレストランにいるようだった。


「音楽の楽しみ方とは、本当はこういうことなのかもしれない」、そんなことを感じた1日だった。

もちろん黙って静かに聴き、お約束のようにアンコールがあるライブも良い。しかし、自然と体が動き、自然と口ずさみ、そして心からのアンコールがあるライブは、なかなか体験できるものではない。

日本でも場所を問わずこのようなライブがもっと増えれば、より多くの人たちが生の音楽を求めて会場に足を運ぶようになるのかもしれない。

そうなれば、アントニオ氏が言うように、情熱あるアーティストの活躍できる場が増え、もっと生演奏が溢れる素敵な世の中になるだろう。

今回は、しばらくの間そんな想いにふけってしまような、本当に素敵なライブであった。

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