レストランバーがライブハウスに!「Waterloo」
今回のライブレポートは2015年12月20日に福岡のフォカッチャバーで行われたWaterloo(ワタル)のライブ。
彼の持ち味はなんといってもその日本人離れした歌声だ。
福岡天神の街はクリスマス一色で染まっていたが、この日は生憎の雨。
しかしながら、雨音がSEに感じる程に素敵な楽曲と歌声で、フォカッチャバーを素晴らしい空間に彩ってくれた。
日本人離れした歌声で独特な世界観を作り出すWaterloo
雨がより一層強まり、雨宿りも兼ねてお店にも徐々に人が増えてきた午後8時。
Waterlooの1stステージが始まった。
椅子に座り、ギターを持ち、渋く甘い歌声で歌うWaterloo。
歌い出した瞬間に会場となったお店の空気感が変わっていく。
Waterlooは、彼をよく知る人からは、「日本人離れした歌声」と評される。
まさにその評価通りで、日本人でこんな歌声を出せる人は他に何人くらいいるのだろうかと思う。
オリジナル曲の「What’s going on」はギターも歌も素晴らしく、思わず体を揺らして、「What’s going on」と一緒に口ずさんでしまうほど。
多くの人に聞いてほしい一曲だ。きっと同じように一緒に歌ってしまいたくなるだろう。
ゲストボーカルとしてレフア サツキも参加
今回のライブではゲストボーカルとして福岡を中心に活動しているシンガー「レフア サツキ」も参加した。
Waterlooの歌に女性ボーカルが加わったらどうなるのか。
正直想像できなかったが、実際に曲が始まると絶妙に二人の歌声がマッチし、また違った良さを味わうことができた。
Maroon5の名曲「Sunday Morning」を歌い上げる2人の姿を見ながら、各々有意義な時間を過ごすお客様達。
通常のレストランなどの店内に流れるBGMを聞きながら食事を楽しむのも良いが、目の前で演奏して歌う姿を見ながらの食事はまた格別だ。
フォカッチャバーのように生演奏を楽しめるレストランがもっと増えれば、店を選ぶ基準に立地やメニューだけではなく、どんなアーティストが出ているかという情報も判断基準に加わる。
今まで足を運ばなかったタイプのお客が来店するなど、お店にとっても嬉しい集客効果があるだろう。
現にこの日は、別のレストランでWaterlooのライブを見た人が彼のファンになり、今回のライブにもやってきていた。
アーティストのファンがお店のファンになり、お店のファンがアーティストのファンになる。そのようなサイクルは、今後の音楽ライブ市場の活性化に必要だ。
ライブハウスじゃない場所でライブをする難しさと楽しさ
今回ライブを行ったのは、大名のDOMUSフォッカッチャバー。
アーティストを支援する活動に力を入れているオーナーのアントニオ氏がライブの場所を提供してくれた。
普段頻繁にライブをやっている場所でもないため、もちろん通常の飲食店としての営業を優先する必要がある。
よって、リハは客様が居る中で行われた。
ミュージシャンにとって、普段なかなかそのような形でリハをすることもないが、Waterlooは一切動じることなく、ギター1本と彼の歌声で一瞬のうちにお店を独特の世界観に変えていった。
生演奏をもっと一般の人にとって身近にしていくためには、音響設備が整っていなかったりするような場所でのライブは避けては通れない道だと考える。
ライブで認知度を上げていくことができるミュージシャンは、どのような場所でも心をつかむような演奏ができる。
そしてこれこそが、まさに「プロフェッショナル」の条件なのではないだろうか。