Column コラム

知られざる「作詞」の世界の物語「作詞少女」紹介

皆さんは「作曲」と聞くとどんな印象を持ちますか?なんだか難しくて特別で、ハードルが高そうですよね。

では、「作詞」と聞くとどうでしょうか。扱うのが普段から使っている「言葉」ということもあって、作曲と比べるとなんとなく「自分でもできそう」と思えませんか?

 

今回紹介する「作詞少女」は、そんな簡単そうで意外と知られていない作詞について書かれている教則本です。作詞初心者に向けた作詞のノウハウの基本はもちろん、「作詞」という創作そのものに深く入っていくストーリーが話題になって、ネット上で大きな反響を呼びました。

そんな「作詞少女」の内容や魅力を解説していきます!

「作詞少女」ってどんな本?

「作詞少女」は、2016年に発売された「作曲少女」の続編として2017年に発売された、作詞初心者向けの教則本です。

教則本としては異色の、ライトノベル形式の内容が話題になった「作曲少女」。その続編である「作詞少女」ももちろん、物語形式で話が進むライトノベルとなっています。

 

ストーリーは、読書好きの文学少女・江戸川悠が軽音楽部の友人から作詞の依頼を受けて取り組んでみるも挫折、高校の先輩でプロの作詞家として活動する伊佐坂詩文から作詞を習っていく…というもの。

悠が「作詞なら自分でもできる」と思い込んでの挫折から始まる展開や、詩文の容赦ない言い方での作詞指導など、前作「作曲少女」と比べるとちょっと捻られたストーリーになっているのが特徴です。

悠が詩文に作詞のノウハウや心構えを教わって、葛藤したり諦めそうになったりしながらも成長していく、青春ストーリーとしての一面もあります。

 

「作曲少女」とは直接ストーリーのつながりはありませんが、両方知っていると思わずニヤリとしてしまうような展開もありますよ!

意外と難しい「作詞」の技術

作曲と比べると敷居が低そうな「作詞」。音楽が好きな人なら、実際にノートに思いついた詞をメモったりした経験もあるのではないでしょうか。

ですがこの「作詞」という創作は、作曲に負けず劣らず難しいものだったりします。「作詞少女」は具体的なノウハウを語りながら、まず作詞初心者の「作詞」に対するイメージを改めてくれます。

 

字数と音数を揃えたり韻を踏んだりといった基本的な技術から、「語彙力」についての初心者によくある誤解の話まで、説明されるまでなかなか気づけない作詞の技術がどんどん出てきて、作詞に悩んでいる人とっては目からうろこの内容が盛りだくさんです。

作詞初心者である悠の目線で物語が進んでいくので、同じく作詞初心者の人にとって、すんなりと内容を飲み込みやすいのもポイントです。

「創作」という呪いの話

「作詞少女」は具体的なノウハウももちろんですが、作詞をはじめとした「創作」そのものについてのエピソードが強烈なことで話題が広まった本です。

物語が後半に差しかかったところで、作中の雰囲気は一変します。それまでは歌詞をそれなりの形に成立させる技術についての話が多く出ていましたが、途中からは、そもそも「創作物を生み出す」とはどういうことか、という根本的な話題がメインになります。

 

「創作」とは、自分の中にあるものを赤裸々にさらけ出して作品という形にする行為です。本音じゃない言葉もおりまぜながらなんとなくきれいなものを作ることもできますが、そういった「嘘」を混ぜた作品は、結局は誰にも響かないでしょう。

だからこそ、作詞でも作曲でも他の創作でも、それに取り組んでいる人は徹底的に「自分」と向き合うことになります。そして、それを突き詰めるほど、普通に生きていては絶対に見ることもないような自分の汚い部分や本音を直視していくことになります。

「創作」はハマりこんでいくほど、そういった「呪い」とでも言える重い部分を背負っていくことになります。だからこそ、作中で詩文は悠に対して「ここに踏み込めば、お前は今日から普通じゃなくなる」とまで言って警告していました。

 

そんな「創作の呪い」についてのエピソードは、作詞だけでなく、何かを創っている人全員がはっとさせられる内容です。初心者でも経験者でも、これから本気で創作に取り組みたい人にとって、避けては通れない大切な話となっています。


作詞初心者向けの基本的なノウハウを解説しながら、「そもそも創作とは何なのか」という根源的な問題についても深く切り込んでいく「作詞少女」。後半のエピソードは、この本が単なる作詞教則本や軽いライトノベルだと思って読むと、言葉を失うくらいのインパクトがあります。

作詞の初心者はもちろん、作詞作曲の経験を積んで慣れてきた人にこそ読んでほしい本です。また、音楽以外の創作活動に取り組んでいる人にとっても、創作についての一番大切なことを気づかされる一冊となっています。

 

知られざる「作詞」の世界を描いて、作詞にとどまらない「創作」の世界も見せてくれる超異色の教則本「作詞少女」。一度手に取って、「作品を作る」とはどういうことなのか、再確認してみませんか?

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