作曲初心者が絶対に読むべき本「作曲少女」とは？

「作曲」と聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべますか？歌のメロディを考えて、そこに歌詞をつけて、ギターやベース、ドラムなどの伴奏を考えて…なんだか考えることや覚えることが多くて大変そうですよね。

もし「曲を作ってみましょう」と突然言われても、「何からやればいいのか分かんない！」と戸惑ってしまうかもしれません。

2016年に発売された「作曲少女」は、そんな右も左も分からない作曲初心者の方にこそおすすめしたい作曲指南書です。今までありそうでなかった手法であなたの作曲デビューを応援してくれる、この書籍について紹介します。

「作曲の教則本」というと、どんなものを想像するでしょうか。

メロディにコード（和音）の進行をつける方法、守るべき音楽理論など、難しい知識の解説が並んでいる教科書のようなものを想像してしまいませんか？

この「作曲少女」は、そんなステレオタイプな指南書とはまったく違う視点で作曲について教えてくれます。

まず、最大の特徴が「物語形式」で作曲について書かれているところです。

作曲に興味をもった高校生の女の子・山波いろはに、同級生で作曲家として活動している黒白珠美が初めての作曲のノウハウを教えてくれる…というストーリーが、いわゆる「ライトノベル」にカテゴライズされる、軽快なテイストで描かれます。

サブタイトルに「平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話」とあるように、珠美は作曲の心構えや手順を14のステップに分けて教えていきます。

珠美から作曲を習ういろはは最初はまったくの作曲初心者なので、読者もいろはの視点に立って、無理なく作曲のステップを身につけられる、というわけです。

「作曲少女」はライトノベル形式という異例の教則本ですが、その中で語られる作曲の手法もかなり異色です。

コード（和音）やリズムの基礎知識を身につけて、それをもとにメロディや伴奏を作っていく…という作業を一からやるのは、「作曲なんて全然やったことない！」という作曲初心者にとってはかなりハードルが高いですよね。

そこでこの「作曲少女」は、音楽理論や曲作りのセンスが必要な段階を丸々スキップした、驚きの方法で読者に作曲を体験させてくれます。

音楽初心者には難しいベースやドラムといったパートを雰囲気の近い曲から丸ごと借りてしまったり、「耳コピ（メロディやコードを耳で聴いてコピーする技術）」を駆使して曲にコードをつける方法を解説したりと、その手法はある意味では「邪道」とも言えるものです。

でも、「分からないところはプロの曲を真似していい」「和音の伴奏は、実はメロディの音から簡単に作ることができる」と言われたら、なんとなく自分でも曲が作れるような気がしてきませんか？

「作曲少女」はそうやって、挫折せずに「まず一曲、自分の手で形にする」という成功体験をさせてくれる本なんです。

オリジナリティやクオリティは、「ちゃんと一曲完成させる」という工程をくり返していれば自然とレベルアップしていきます。

逆に言うと、この「曲を作り上げる」という経験を重ねなければ、いくら理屈を勉強しても作曲の力は身につきません。

「作曲少女」は、その点でどんな書籍よりも「実践的」な力を身につけさせてくれる画期的な指南書です。

「作曲少女」は作曲初心者が曲を形にするためのテクニックもですが、「作曲をする空間は自分の好きなもので埋め尽くしてインスピレーションが浮かびやすくする」「曲を作るときは、その背景やストーリー、世界観を徹底的に考える」といった気持ちの準備についても重要視しています。

一見あいまいで抽象的なことに思えるこれらの要素ですが、実はこういった心構えが技術や知識よりも大切だったりします。

曲に限らず「作品」というのは自分の内面から生まれてくるものなので、よく考えたら当たり前ですよね。

そういった何よりも根本的なところから教えてくれる「作曲少女」は、作曲初心者だけでなく、曲作りに慣れてマンネリ化してきた中級者の方にもおすすめです。

発売されるやいなや、ネット上で活動する音楽クリエイターを中心に大きな話題になった「作曲少女」。

今までのどんな作曲指南書とも似ていないその画期的な内容を知ると、大ヒットを記録したのも納得ですね。

作曲についてこれから学んでいく作曲初心者、今まで作曲を挫折した経験のある方、もう一度初心に帰って「作曲とは何か？」を再確認したい方は、この書籍を手に取れば間違いありません。