Column コラム

Syrup16g 五⼗嵐隆のルーツ

画像出典:https://youtu.be/FyD0jRsAqNk

退廃的で内向的な詞世界、そしてその激情に熱を与えるオルタナティブサウンドを武器に、邦楽ロックシーンで確固たる人気を誇ってきたバンド、Syrup 16g。

いわゆる「鬱ロック」と呼ばれるジャンルの代表格バンドですが、その全作詞作曲を手がけるのが、フロントマンの五十嵐隆(いがらし たかし)です。

1973年、埼玉県浦和市生まれの彼は、その言動や生き方そのものをもって自分の音楽性・感性を描き出し、独特のカリスマ性でコアな支持を集め続けています。

今回は、そんな彼の世界観のルーツを探っていきましょう。

「Syrup 16g」を作った少年~青年期の音楽体験

五十嵐隆という人間が音楽の世界にのめり込むきっかけになったのが、小学校時代の音楽体験です。

ビリー・ジョエルやホール&オーツ、マイケル・ジャクソンなどの当時流行していた洋楽を毎日数時間も聴き漁っていたという経験が語られており、Syrup 16gにおける彼の音楽センスの基礎は、このときに育まれたと考えられます。

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洋楽ポップスの耳に残るメロディやアレンジは、現代の音楽全てに通じる要素を秘めていると言えるでしょう。

Syrup 16gの楽曲も、「鬱ロック」と呼ばれてアンダーグラウンドな雰囲気を持ってはいますが、その一方で、多くの邦楽ロックファンに受け入れられるキャッチーさも兼ね備えています。

そんな曲を生み出す彼の感性は、こういったエモーショナルでポップな洋楽の名アーティストによって生み出されたのではないでしょうか。

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また、高校を出た後に行ったバリへの旅行で、民族音楽の「ケチャ」に触れたことも、五十嵐の衝撃的な音楽体験として語られています。

音とリズム、そして演者である人間の前進を使って感情の高まりを表現するケチャのインパクトは、「ありのままの激情の吐露」というSyrup 16gの表現スタイルに影響を与えているのかもしれませんね。

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Syrup 16gの礎になったコピー演奏

Syrup 16gの前身になるバンドの結成当初は、コピー演奏による活動がメインだったそうです。

また、当時はボーカル専任のメンバーがいて、五十嵐はギタリストとして所属していました。

コピー元はフリッパーズ・ギターなどで、この頃のコピバンとしての活動がバンドとしての基礎になったと言えます。

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また、彼は好きなギタリストにザ・スミスのジョニー・マーなどを挙げていて、そこからはギタリストとしてのルーツを感じることができます。

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五十嵐自身が語る「心の名盤」

五十嵐自身が「心の名盤」として語った作品も、彼の音楽に強く影響を与えていると言えるでしょう。

プリンスの「Parade」、ジェフ・バックリィの「Grace」などが彼の厳選する名盤として挙げられていて、特に「Grace」はメロウでインディー要素の強いオルタナティブロックサウンドに、Syrup 16gにも受け継がれているものを感じられます。

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また、邦楽の心の名盤としてはbloodthirsty butchersの「kocorono」を挙げていて、無骨で古き良き邦楽オルタナの精神がうかがえます。

自己を見つめるような歌詞やシンプルでストレートな曲展開などの要素もSyrup 16gに通じるものがあり、彼にとっては「目の前で直接の影響を与えられたバンド」という点も大きいのではないでしょうか。

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以上、Syrup 16gのVo.Gt.五十嵐隆の音楽的なルーツをふり返ってみました。

多くの人に響く「音楽作品」としてのキャッチーさ、そして感情を爆発させるメロディやシンプルなサウンドなどの表現方法、さらに、Syrup 16gの最大の特徴であるほの暗くて内省的な世界観・空気感。

そんな個性は、作られた時代も地域も様々な音楽が混ざり合い、吸収されることによって生み出されていたんですね。

直接バンドに通じるようなルーツだけでなく、洋楽ポップスなど、より彼の奥深くに根づいているような音楽の原点も垣間見えたと言えるのではないでしょうか。

創作者としての彼のルーツにも触れてからSyrup 16gの音楽を聴くと、また新たな発見があるかもしれません。

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