「鬱ロック」の金字塔となった伝説的ロックバンド
1996年の結成から2008年の解散まで、邦楽オルタナティブロックの成熟期を代表するバンドのひとつとしてライブシーンを駆け抜けたスリーピースバンド、Syrup16(シロップジュウロクグラム)。
独特の作詞作曲センスでカリスマ性を誇るVo.Gt.五十嵐隆、ミステリアスなBa.キタダマキ、現在もVOLA & THE ORIENTAL MACHINEやスタジオ・ライブサポートで活躍するDr.中畑大樹の3人で構成されるSyrup16は、洋楽オルタナティブロック、ニューウェイヴなどの影響を受けたサウンドに陰鬱とした世界観の歌詞を重ねた、いわゆる「鬱ロック」と呼ばれるジャンルの金字塔的な存在です。
ゴリッとしたシンプルで硬質なアンサンブル、徹底的に「絶望」に寄り添い、感情をそのまま吐露するような詞世界は、2000年前後の邦楽ロックファンの間で密かに話題になり、一つのムーブメント、時代を築いたと言ってもいいほどのコアな支持を集めました。
Syrup16gによって生み出された「鬱ロック」の空気感は、その後もplentyや初期のCIVILIAN(ex.Lyu:Lyu)、初期きのこ帝国といったバンドに脈々と受け継がれています。
不器用で怖がりで孤独で、そんな姿を隠すでも変えようとするでもなく実直に描くSyrup16gの楽曲は、自分の部屋でドアに鍵をかけて心を閉ざす人たちの気持ちを代弁するような救いとして、解散後も多くの人の心の支えになっていました。
そして2014年、再結成が発表され、「鬱ロック」を愛するファンを熱狂させました。
作曲者の五十嵐は多作で知られていますが、再結成後も4年で3枚のアルバムをリリースするなど、ハイペースでの作品発表を重ね、変わることのない世界観で支持を集め続けています。
「鬱ロック」の世界において、生き続ける伝説として、まだまだ活躍を見せてくれています。