インディーズとメジャーは印税がどのくらい変わるの?
近年の音楽シーンにおいて、メジャーバンドだけでなくインディーズバンドの活躍も多くみられるようになりました。その理由は、「単純に音楽を表現するための場所が多い」ことや「バンドをする若者が増えている」という理由だけではく、「印税」という言葉がポイントになるようです。
「メジャーバンド」と「インディーズバンド」ここが違う!
そもそもこの二つの違いはどこにあるのでしょうか?
答えは簡単です、「日本レコード協会に入っている大手レーベルからCD等を出しているかどうか。」ここがポイントになります。
メジャーバンドは大手レーベルの後押しを受け、仕事やアーティストとしての動きをサポートしてもらいます。一方で、インディーズバンドは一般的に、大手よりも資金力の小さいレーベルから売り出されるため、必然的に宣伝力には大きな差が生じます。
これだけ見ると「大手レーベルからのほうがお得!」と思うかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。大手レーベルからのCDの売り上げでアーティストがどのくらいの印税を得ているかご存じでしょうか?
以下の円グラフを見てみてください。
上のグラフでは、アーティスト印税がたったの1〜3%となっていますよね。この率がメジャーの印税収入のおおよその相場となっています。
「こんな少しの印税では収入がほとんどないのでは?」と思うかもしれませんが、実際には営業の仕事であったり、音楽番組、ライブやグッズ販売のギャラ、またカラオケなどの2次使用料など、その他の収入がたくさんあります。しかしそこに至るまでにかかわる人の人数や様々なコストがインディーズに比べると莫大なため、やはりアーティストの取り分は最終的に少なくなってしまうのが現実です。
一方で、インディーズレーベルからCDを売り出した場合、会社にもよりますが、アーティスト印税は全体の数十%にもなると言われています。大手レーベルのように宣伝費用をかけていないことや流通にかけるコストが違うからですね。
例えば、「女々しくて」でおなじみの「ゴールデンボンバー」。
彼らはインディーズのエアーバンドとして活動しています。ゴールデンボンバーのボーカルである鬼龍院翔さんは「女々しくての印税は1億ぐらいだった」と言っているそうです。彼らの場合、ライブでのパフォーマンスに重きを置いていることやカラオケでの人気もすごいので、当然それ以上には収入を得ていると考えられます。
どちらにせよ、世の中に認知され、「売れる」のは大変なことですが、単純に金額面だけで考えると、メジャーレーベルで売れる、ということは、インディーズの数十倍売れなければいけないということです。
また、メジャーになると、多くの利害関係者が関わります。その人達の給料を無駄にしないために、自分の音楽性を変えてでも必ず売れて、その印税を還元していかなければいけないというプレッシャーの中で仕事をしていくことになります。
どちらがアーティストにとって良い環境なのか、一長一短はあるかと思います。
ただ、少なくとも今、多くのミュージシャンにとってインディーズのほうが魅力的になってきており、且つその境がなくなってきていることも事実です。
まとめ:メジャーバンドとインディーズバンドのメリットとデメリット
メジャーバンド
- メリット
資金力と宣伝力があるため、売れる確率が高まる。
- デメリット
宣伝コストや流通コストが莫大なことから、アーティスト印税が少なくなる。
インディーズバンド
- メリット
CDの販売台数同一を前提で比較すると、メジャーの印税収入とはケタが違う。
- デメリット
宣伝力が弱いので、売れるまでに時間がかかる。
「メジャーバンド」も「インディーズバンド」もどちらがいいとは言い切れませんね。
ただ、音源の販売方法も変わり、またWEBなどで訴求力の高い宣伝を簡単にできる今の時代、夢を追いかけるアーティストにとって、必ずしもメジャーデビューだけが音楽業界で生き残る道ではないのかもしれません。
音楽好きにとっては、ただ純粋に実力のある素晴らしいアーティストが世に出てきてほしいだけなのですが。
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