爽快エレクトロポップバンド”LILI LIMIT”

画像出典：https://youtu.be/EAG3eZoRb14

2012年に山口県での結成からスタートし、活動拠点を福岡、東京へと移しながら活動を続けてきたバンド、LILI LIMIT（リリ・リミット）。

オルタナティブロックを軸に、エレクトロポップやインディーロック、ドリームポップなどの要素を含むサウンドで話題を集め、2016年にメジャーデビューを果たしてからは邦楽ロックシーンの最前線で活躍しています。

その音楽性の特徴は、多彩な色を見せるキーボードとギターによるリードワーク、そしてダンスビートなども取り入れたリズムワークが合わさった、壮大で爽快な世界観です。

そんな彼らのこれまでの発表曲を辿りながら、その魅力を紹介します。

LILI LIMITのメジャー1stミニアルバム「LIVING ROOM EP」の表題曲となった「Living Room」。

YouTubeでの再生回数は2018年8月時点で24万回以上と、彼らの代表曲といえる一曲です。

インディーズ時代は疾走感のある楽曲が前面に押し出されることが多かったですが、この「Living Room」はミドルテンポのリズムの中で重厚なアンサンブルが奏でられて、ロック曲としての疾走感よりサウンドの構成や展開で魅せる一曲となっています。

一度聴いたら耳に残るメロディのキャッチーさには昔からの彼らの個性が表れていて、メジャーバンドとなった彼らの新しい一面がうかがえます。

LILI LIMIT初のフルアルバム「a.k.a」に収録された「A Short Film」は、透明感のあるサウンドや遊び心あふれるアレンジが印象的なミディアムナンバーです。

キーボードとギターのユニゾンで耳に残るリードフレーズ、シンセベースとコミカルなリズムサウンドが軽快さを生むリズムセクション、そしてアクセント的なコーラスワークなど、ひとつひとつの音が絶妙に絡み合って、そのサウンドの作り込みに驚かされます。

よりエレクトロ要素やインディーポップ要素が強くなり、バンドとしての大きな進化を感じられる一曲です。

さらに、ひとつのショートフィルムのサウンドワークをLILI LIMITメンバーたちが作り上げていくようなMVの演出も見どころとなっています。

2nd EP「LAST SUPPER EP」の表題曲「LAST SUPPER」は、それまでのエレクトロポップやインディーポップ要素は保ちつつ、そこにシティポップやダンスミュージック、テクノポップなどのを大きく取り入れてさらに新展開を見せた一曲です。

過去との決別や未来への前進といったメッセージ性の強い歌詞も印象的で、「LAST SUPPER（最後の晩餐）」というどこか哲学的で硬質なタイトルにもぴったりマッチします。

テーマはシリアスながら、凝ったサウンドとキャッチーなメロディで後味のいい爽快さが生み出されていて、LILI LIMITというバンドの色も存分に感じられます。

名画「最後の晩餐」をモチーフにした構図のMVも併せて、聴いてみてください。

2018年2月にリリースされた3rd EP「LIB EP」は、彼らにとって転換点となった作品です。

特に、リード曲となった「FEEL IT」では、彼らの変化が一段と強く感じられます。

これまではオルタナティブロック色も前面に押し出されていた彼らですが、この曲ではテクノやEDMといった電子音楽の要素がさらに強くなり、挑戦的で実験的なサウンドメイクや曲展開なども多くなっています。

MVも楽曲のイメージを抽象的に表現したような繊細な映像作品となっていて、プロモーションの面でも、これまでのイメージから大きな転換を目指しているかのようです。

ビジュアル的にもサウンド的にもがらりと雰囲気の変わった「LIB EP」から、LILI LIMITというバンドがどんな変化を遂げていくのか、期待が高まります。

耳に心地のいい爽快なエレクトロポップというジャンルの軸は保ちつつ、バンドとしてどんどん変化を遂げていくLILI LIMIT。

その音楽性は世界の音楽ムーブメントの先端を行くEDMに寄ってきているようで、国内音楽シーンを超えて、海外でも話題を集められそうな進化が感じられます。

彼らが今後どんな展開を迎えていくのか、要注目です。