バンド"眩暈SIREN"が描くダークな世界観
画像出典:https://youtu.be/o3dT5uRhYpA
福岡で結成された5人組ロックバンド「眩暈SIREN」。
ハードコアやラウドロックなどの要素を取り入れたサウンドとVo.京寺の少年のようなボーカル、退廃的で憂いのある歌詞の表現が合わさり、唯一無二のダークな世界観を構築して人気を集めています。
2015年にリリースされた全国流通盤1stアルバム「或る昨日を待つ」がスマッシュヒットを記録したことで知名度を高めた彼らは、その後も2017年3月にミニアルバム「六花」を、同年8月には配信シングル「ジェンガ」を、2018年3月にはミニアルバム「深層から」を発売するなど、安定してリリースを重ねてきました。
さらに、2018年7月には花澤香菜主演のアニメ映画「アラーニェの虫籠」の主題歌として「その嘘に近い」が起用されるなど、これまでとはまた違った層にも知られ始めています。
静かにブレイクしていく眩暈SIRENの魅力を、その楽曲を通して体感していきましょう。
眩暈SIREN最大級の代表曲「偽物の宴」
最初に紹介するのは、2018年8月現在でYouTubeでのMV再生回数が79万回以上と、眩暈SIRENにとって最大の代表曲となっている「偽物の宴」です。
ミニアルバム「六花」のリードトラックとなったこの曲は、リズミカルなドラムとうねるベース、そして2本のギターとピアノが多彩なサウンドで吠える中で、Vo.京寺の中性的な歌声が気だるげに詩的な世界観を描いています。
低温的で憂いのあるエモーショナルな表現は、まさに眩暈SIRENというバンド独自のものといえます。
ダークな色味を感じさせながらもメロディはしっかりと耳に残るキャッチーさを持ち合わせていて、独自性と王道を両立させた一曲です。
バンドとしての表現力が光る「思い出は笑わない」
「思い出は笑わない」は、先ほど紹介した「偽物の宴」とはまた違った彼らの魅力を感じられる一曲です。
現在の彼らの最新作「深層から」に収録されたこの曲は、ピアノの美メロを主軸に静と動を巧みに使い分けた、繊細な感情表現が魅力となっています。
絶妙なバランス感覚で美しさとエモさを並びたてていて、眩暈SIRENのバンドとしての表現力が光ります。
アップテンポな曲とは一味違う、壮大で感動的なドラマを見ているような気分になるバラードナンバーです。
バンド初のタイアップになった「その嘘に近い」
「その嘘に近い」は、前述したように、花澤香菜主演のホラーアニメ映画「アラーニェの虫籠」の主題歌に起用され、眩暈SIREN初のタイアップソングとなった一曲です。
Vo.京寺のクリーンな歌声と、Piano.Vo.ウエノルカのシャウトの対比が印象的な構図になっているこの曲。
ホラー作品としての恐怖描写と映像作品としての美しさが見どころの「アラーニェの虫籠」の世界観と、絶妙にマッチしています。
ストーリー性の強い歌詞も、映画の物語と随所で絡み合ってより奥行きを感じさせます。
眩暈SIRENの新たな試み「ハルシオン(音が孤独を覆うまで Ver.)」
眩暈SIRENのメンバーたちがライブ会場に来られないファンのために「もっと近くに音楽があって欲しい」という思いからはじめたインターネットライブ企画「音が孤独を覆うまで」。
その企画の中で演奏された曲のひとつが、この「ハルシオン」です。
透明感のあるアレンジやピアノの美メロ、京寺の伸びやかで透き通るボーカルといった要素が前面に押し出されたこの曲は、彼らの代名詞でもある激しいラウドナンバーとは違って、穏やかな雰囲気をもっています。
感情を爆発させるのではなく、曲の展開と音の組み合わせで聴き手の気持ちを少しずつかき立ててエモーショナルな世界観を描く、やさしくも壮大な一曲です。
眩暈SIRENのダークで憂いのある世界観、体感していただけたでしょうか?
その楽曲に引き込まれた方は、是非彼らのライブにも足を運んでみてください。
このサウンドとメッセージを生で受け取ったら、さらに熱く鋭い世界観に浸れること間違いなしです。
ハードコア、ラウドロック、エモが好きな方は必聴です。
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