声が苦手な人こそ聞いてほしい!クリープハイプのおすすめ曲3選
好き嫌いははっきりと分かれるけど、一度ハマればもう抜け出せない魅力を持っているバンド”クリープハイプ”。数々のタイアップをやっているので、テレビなどで彼らの曲を聞く機会も多いでしょう。唯一無二の特徴的なハイトーンボイスはすぐにボーカル尾崎世界観の声だと気づき、そしてクリープハイプの曲だと気づきます。
”声”は彼らにとっては唯一無二の武器ですが、特徴的なハイトーンボイスが嫌いな人もいると思います。好みは人それぞれですからね。
しかし、苦手だからといって聴かないのは非常にもったいないです!本当に邦ロックのいいとこ取りのようなバンドなんです。
まずは、彼らについて少しご紹介します。
地道な努力が実を結んだ遅咲きのバンド
彼らが現体制で本格的に活動し始めたのは2009年からです。
しかし、ボーカル尾崎世界観がクリープハイプというバンドを組んだのはそれよりもずっと前の2001年でした。当時からずっとこの名前でやっていくという決意があったのかどうか分かりませんが、こうして日本中にその名を響かせています。
そして、2012年にようやくメジャーデビューを果たしました。ボーカルの尾崎世界観にとってはとてつもなく長い道のりだったでしょう。
ちなみに、”尾崎世界観”という名前は、2005年に下北沢で本格的にライブ活動を開始した際に、「世界観がいいね」と曖昧な評価を受けることに疑問を感じて、自ら世界観と名乗るようになったそうです。反骨精神。ロックです。
売れるまでの期間が本当に長く、地道な下積み時代を経て今の地位を確立した彼ら。改めて言いますが、彼らの武器は、独特な目線で描かれた歌詞と尾崎世界観のハイトーンボイスです。多分、この声ではなければここまで売れてはなかったでしょう。
人気の一方で声が苦手だという人も多いので、まずは聞いてみる入り口として独特な目線で書かれた歌詞の世界観が素晴らしい曲を3曲ご紹介します!
完全に独断で偏見で選んでいるのでそこはご了承ください。
左耳
“踊り場から愛をこめて”4曲目に収録
インディーズ時代のアルバム”踊り場から愛をこめて”に収録されている楽曲です。現在の楽曲よりもロックな曲調が特徴です。
曲の展開もかなりシンプルで、1番のサビの後にすぐギターソロがくるなど疾走感を感じます。ストレートなギターロックですね。声が苦手でも、演奏が好きという人も多いです。
この曲もどの曲でもそうですが、クリープハイプの曲は、歪で人間臭い世界観の歌詞に共感を覚える人が多いです。
例えば”左耳”のサビの歌詞から、なんとなく情景や2人の会話が想像できませんか?
左耳知らなかった穴 覗いたら昔の女が居た
アタシは急いでピアスを刺す
それで起きて 寝呆けた顔して
これくれるのなんて聞いてくる
別にそれもう要らないし 引用
彼女は寝てる最中に彼の左耳を見て、そこで初めて彼がピアスを空けていることに気付いた。
そのピアスの穴は、もしかしたら昔の彼女とかと同じ所に空けたのかもしれない。
そう思っているとモヤモヤしてきたから穴を塞ぎたくて自分のピアスを急いで刺した。
彼はピアスを刺されたことで目を覚まして、プレゼントだと思っているけど、
彼女はただ単に見たくないものを埋めたかっただけだから、そっけなく要らないしと言った。
というようなストーリーが簡単に思い浮かびますよね!
このように日常的で、共感を呼ぶ歌詞の楽曲が多いです。ハイトーンな声だけに注目せずに、歌詞に注目して曲を聞いてみてください。
続いての曲でも身近なことを綴った詞の世界観を感じ取ってください。
愛の標識
”死ぬまで一生愛されてると思ってたよ”1曲目に収録
アルバム”死ぬまで一生愛されてると思ってたよ”のリード曲です。
死ぬまで一生愛されてると思ってたよ 信じていたのに嘘だったんだ
というアルバムのタイトルにもなっている歌詞から歌い出すこの曲もかなりのアップテンポな曲です。
いきなり全パートが弾き出す個人的には最高に好きな曲の始まり方で、ギターのリフもキャッチーで何回でも聞きたくなってしまいます。
私はこの曲でクリープハイプを知って、若干声に苦手意識を感じましたが、このバンドのことがすぐに好きになりました。
この曲の世界観も本当にその光景が思い浮かんできます。同棲しているカップルの別れの歌で、男性目線で歌われています。
一段低い所に置き換えたシャワーが たまらなくこの上なく愛しかったよ
簡単に水に流せない思い出
一段低い所に置き換えているシャワーは彼女がこの部屋にいる証拠で、それを凄く愛しく感じていた。
だけど、君は出て行く。君と過ごした想い出はシャワーのように簡単に水に流せない。
このようなストーリーが展開されているんですね。
すごく想像しやすくて、切なくなります。
2LDK
”一つになれないなら、せめて二つだけでいよう”1曲目に収録
”一つになれないなら、せめて二つだけでいよう”の1曲目に収録されているリード曲です。
クリープハイプはアルバムの1曲目に疾走感とインパクトのある曲を配置する傾向がありますね。
この曲も愛の標識と同じように同棲している2人の別れの曲です。
これから これから いまから さよなら
歌い出しからいきなり別れを示唆する言葉を並べています。この曲は、1番では男性目線、2番では女性目線で詞が書かれています。
僕の為に料理をする君の為のキッチンに
1番近いダイニングに帰らなくなった
1番では2LDKの家に住んでいる2人の内、男性がダイニングに近寄らなくなったことが歌われています。
君の為に料理をする2人のキッチンに
何となくあのタイミングで帰れなくなった
2番では女性がキッチンに近寄りにくくなったことが歌われています。もう関係が破綻しているということが分かりますね。
そして、面白いのは1番と2番を対比することで、この男性と女性の気持ちの違いを表していることです。
僕の為に料理をする君の為のキッチンに
君の為に料理をする2人のキッチンに
この男性はそれぞれのテリトリーを分けて考えていますが、女性は2人で料理をしたかったんじゃないでしょうか。
すれ違った気持ちが戻ることなく鍵をポストに入れてさよならってストーリですね。
ここまで読んで気づいたと思うのですが、今回は恋愛の曲オンリーで歌詞の世界観を紹介しました。
本当に日常的で共感しやすいですよね。
私も最初は声が若干苦手でしたが、歌詞の世界観にどっぷりとハマってしまってからはもうクリープハイプというバンドのファンになっていました。
今回は歌詞の世界観ばかりを紹介しましたが、クリープハイプは演奏がかなり魅力的で、純粋な邦ロック好きなら必ず曲にも夢中になると思います。
サビで同じ言葉を繰り返す手法、尾崎世界観と同じようにハイトーンでコーラスをするベースの長谷川カオナシなど、魅力を挙げていけばキリがないくらいです。
これを機に、もっともっと他の曲も聞いてみてください!
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