音楽記号の一覧と意味について解説します
歴史的に残っている音楽といえば、クラシックが代表的なものかもしれません。
作家が文字を使って自分の作品を後世に残しているように、音楽は音符や記号によって受け継がれています。
「音楽記号を使うのはクラシックだけでしょ」と思う方もいるかもしれませんが、現代の音楽も、もし100年後、200年後の人にその感動を正確に伝えるためには、記号を緻密に組み合わせて表現する必要があります。ミスチルの曲であっても、サザンの曲であっても、AKBの曲であっても、です。
運良く音源が残っていたとしても、やはり生の音は違います。当事者やその周りの人達が生き続けていない限り、生の繊細な音の表現を伝えるためには、やはり音楽記号が必要になるでしょう。
音楽記号にはありとあらゆる種類があり、それらを組み合わせることによって、一つの楽曲に魂が込められます。
今回は可能な限り一覧でご紹介していきます。
これまでに習ってきた音楽記号を覚えてますか?
私達は、実は幼稚園〜小学校〜中学校〜高校までの音楽の時間に、色々な音楽記号を学んできているんですね。音楽関連の仕事をしていなければ、いまだに記憶に残っているものは数えるほどというのが正直なところですね。 以下の一覧を見ると、少し思い出されるのではないでしょうか?
これくらいならなんとか、意味を聞かれても説明ができる範囲でしょうか。
音楽記号の一覧と意味
音楽記号は、その表現の用途や目的によって様々なものがあります。
音の強弱を表現するもの
mf:メゾフォルテ | やや強く |
---|---|
f:フォルテ | 強く |
ff:フォルティッシモ | 非常に強く |
fff:フォルティシシモ | 特に強く |
mp:メゾピアノ | やや弱く |
---|---|
p:ピアノ | 弱く |
pp:ピアニッシモ | 非常に弱く |
ppp:フォルティシシモ | 特に弱く |
ちなみ、上の一覧にはありませんが、ffffはフォルティシシシモ、ppppはピアニシシシモ、と読み、段階的に「シ」の数が多くなっていきます。
演奏速度を表現するもの
Grave:グラーヴェ | 重々しく |
---|---|
Largo:ラルゴ | 幅広くゆるやかに |
Larghetto:ラルゲット | やや幅広くゆるやかに(Largoより速い) |
Adagio:アダージョ | ゆるやかに |
Lento:レント | ゆっくり |
Adagietto:アダジェット | ややゆるやかに |
Andante:アンダンテ | 歩くような速さで |
Andantino:アンダンティーノ | ややAndanteに(Andanteより速い) |
Moderato:モデラート | 中くらいの速さで |
Allegro moderato:アレグロ・モデラート | 穏やかに速く |
Animato:アニマート | 元気に動いて |
Allegretto:アレグレット | ややAllegroに(Allegroより遅い) |
Allegro:アレグロ | 快速に・陽気に |
Vivace:ビバーチェ | 活発に |
Vivo:ヴィーヴォ | 活発に |
Presto:プレスト | 急速に |
Prestissimo:プレスティッシモ | 非常に急速に(Prestoより速い) |
Tempo giust:テンポ・ジュスト | 正しいテンポで(心拍の速さといわれています) |
Tempo di Valse:テンポディヴァルス | ワルツのルバートを持った速さで |
上記一覧以外にも、たとえば「相対的な速さを示す記号や発想記号」というものもありますが、 一般の人はほとんど目にする機会がないものかもしれませんね。
よく見る一般的な音楽記号と意味
#:シャープ | 半音上げる |
---|---|
♭:フラット | 半音下げる |
♮:ナチュラル | もとの高さで |
<:クレッシェンド | だんだん強く |
>:デクレッションド | だんだん弱く |
D.C.:ダカーポ | はじめから繰り返す |
D.S.:ダルセーニョ | 「S」から繰り返す |
S:セーニョ | 「D.S.」からここに戻る |
Fine:フィーネ | 「D.S.」や「D.C.」で繰り返し演奏している際に、曲の途中で終わらせる |
この他に、音符としては全音符、2分音符 、4分音符 、8分音符、16分音符、32分音符、64分音符などがあり、休符記号としても同じように、全休符、2分休符、4分休符、8分休符・・・と続きます。
そして1小説の中にこれらの音符や休符が何個あるかで、その楽曲のスピード感なども変わっていきます。
ジャズやロックなどの世界では、これを4ビート、8ビート、16ビートなどと表現されますよね。
音楽で使用する記号は、限りなく多く、また様々な組み合わせで使用されます。普通の人が、楽譜を見たりする時に理解できる程度に必要なものを一覧でご紹介してみました。
これらが無限に近いパターンで組み合わされ、後世の人に当時の感動をそのまま伝える手段となるんですね。
音楽は記号で表現されるのではなく、「心」で表現されるべきものかもしれません。
しかしその「心」さえも記号に落とし込まれて表現される名曲は、神秘とさえ言えるのではないでしょうか。
音楽の世界は本当に奥深く、人類にとって切っても切り離せない素晴らしい文化であるということがよくわかりますね。