Column コラム

日本の民謡で有名な曲をご紹介します

日本には、古くからその地方に根付き、農村・特定の職業集団等で歌われていたそれぞれの「歌」がありました。

それらが数世代に渡って口伝継承されてきたものは、明治時代の半ばから「民謡」と呼ばれ出しました。

その背景も交えて、有名と言えるものをいくつか紹介していきたいと思います。

民謡の始まりと背景は

「民謡」の定義は、邦楽の一種で、古代から引き継がれてきた伝統的な歌唱曲を総合したものになります。

その背景として、不特定多数の民衆によって自由に伝承されているうちに、「曲」という形になったということがあります。伝承の仕方としては、基本的に口承のみで楽器は使用しません。日本語の発音、音階から日本固有の音楽の原点となっています。

明治時代後期から大正時代にかけては、多くの詩人が作詞に関わったとも言われているようです。

昭和初期になると、レコード会社・文部省・NHKの後押しもあり、全国各地でバラバラだった「歌」が「民謡」という名前で統一されました。特に富山県は、民謡の宝庫と呼ばれるくらい多くのものが残されています。 そのほとんどは「労働」と非常に関連性が深いもので、各地の郷土色が反映されています。

民謡の種類と分け方

一口に民謡といっても、地方や労働との結びつきにより、いくつかの種類に分けられています。

  • 追分

もともとは、牛や馬を追って分ける場所という意味でしたが、その後、街道の分岐点を指すようになりました。有名なものとして「江差追分」があります。

  • 馬子唄

馬追いが馬を追いながら歌ったのが原点です。有名な曲には、「箱根馬子唄」などがあります。

  • 舟歌

船頭が舟をこぐ時にちょうどよいリズムの歌です。日本の民謡の中では、「最上川舟歌」があります。

  • 甚句

江戸時代に発生した比較的新しいものです。歌詞が7・7・7・5で1つのコーラスが成り立ち、全国的には、この形の民謡が多いようです。なかには、囃子言葉が入っていたりすることが多いようです。有名なものでは、「花笠音頭」があります。

  • 盆踊り

お盆の時期に村落の結束を固めるために歌われたという説と、誰でも踊りに参加できるようにとの意味合いから発生したという説があるようです。もともとの発生は、仏教の行事の1つして行われていたものでした。現代に近くになると、町内会や団地の自治会、商店街の商工会が発案したその町独自の新しい形の盆踊りなども出てくるようになりました。有名なものとして、東京音頭や相馬盆唄などがあります。日本の民謡の歴史の中では、比較的新しい文化に入るものでしょう。

特に有名な民謡3曲

江差追分

北海道の民謡で、桧山郡江差町が発祥の地とされています。

その起源となるのは、長野の信濃追分の馬子唄が船頭たちによって伝えられたとされる唄と越後松坂くずしが融合されたという説があります。

北海道指定の無形民俗文化財となり、北海道遺産に選定されています。

東京音頭

日本の民謡は誰が作詞、作曲したのか不明なものが多いのですが、「東京音頭」は作詞・作曲家が判明している珍しい例です。

作詞家は西條八十、作曲家は中山晋平です。

原曲となったのは、「丸の内音頭」、最初は日比谷公園の盆踊りとして使われました。盆踊り大会は日比谷の百貨店の広告として行われ、その百貨店で「浴衣」を購入した人が参加できるという特典つきの盆踊りでした。

当初の歌詞には、丸の内、数寄屋橋などの地名が入っていました。その後、特定の地名だけを歌詞に取り入れることはおかしいとのレコード会社の指示で、東京一円の他の地名も入れられて東京のご当地ソングとなりました。

東京音頭は、2003年に日比谷公園が開園100周年を迎えたことがきっかけとなり、その後毎年8月に日比谷公園で盆踊り大会が開かれています。

都民に馴染んでもらい、誰でも歌えるようにと、1933年に歌詞の大きな変更がされました。そして、レコードとしても発売され、120万枚を売り上げたという記録があります。

近年になってできた東京音頭という曲を日本の民謡と呼んでよいのか微妙なところですが、「新民謡」という呼ばれ方をされています。盆踊りの定番として歌われている東京音頭はプロの野球チームの応援歌となり、あるサッカークラブの応援歌としても起用されています。

安来節

安来節といえば、誰もが思い浮かべるのが、ひょっとこ顔で踊る「どじょうすくい」ですよね。

原曲は江戸時代の「出雲節」で、それに七七七五型を取り込んだものです。鳥取県で歌われていた「さんこ節」と日本海沿岸の「出雲節」「舟方節」が融合したものと言われています。現在では日本の郷土民謡と言われていますが、大正末期では「寄席」のひとつとして、しゃべり漫才として花形のようだったといいます。

どじょうすくいの踊りには「男踊り」と「女踊り」があります。どじょうすくいの「どじょう」の意味は「土壌」という意味で、この地域で取れる砂鉄を網ですくっている踊りは、魚のどじょうではなく、砂鉄を採取しているという姿ということです。それを、本物のどじょうをすくっているかのように踊ることにより、笑いを呼び込み、楽しませてくれる踊りですね。


日本古来からの民謡という郷土芸能。 収穫の豊作を願い、災害のないことを神にお願いし、「祈る」という日本の心そのもののような気がします。

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