メジャーデビューするにはこのような方法がある!
インディーズバンドとして日々音楽活動に没頭しているミュージシャンにとって、メジャーになる方法を知っておいて損はありません。
今はインディーズとしての道を貫くアーティストも増えていますが、どの道を選択するにせよ成功までのステップは変わりありません。
参考に、メジャーデビューするにはいったいどうすればいいのか? その具体的はステップをお話していきます。
メジャーデビューって何?
そもそも、メジャーデビューとは何なのか、ということをお話していきたいと思います。
まずメジャーデビューとは、大手音楽レーベルからCD等を出すことを言います。はじめに申し上げておきますが、メジャーでなくても、インディーズレーベルからCDを出して、超有名になっているアーティストはたくさんいます。しかし、メジャーレーベルのほうが圧倒的な宣伝力や、CD等の流通網を持っていることも確かです。
では大手音楽レーベルとはどういったところがあるのでしょう?
その基準はよく「日本レコード協会に入っているかどうか」で測られることがあります。このわかりやすい定義に照らし合わせると、以下のようなレーベルが挙がってきます。
- ユニバーサル ミュージック
- 日本コロムビア
- キングレコード
- JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
- ソニー・ミュージックレーベルズ
- ポニーキャニオン
- ワーナーミュージック・ジャパン
- エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ
- ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- よしもとアール・アンド・シー
他にも色々とありますが代表的なものをいくつか挙げてみました。
しかし、この定義はあくまでもわかりやすく判別するための基準です。今はインディーズであっても日本レコード協会所属企業と変わらない程の勢力を持っているレーベルがたくさんあり、「メジャー」と同じ感覚で認識されているところもあります。
なので、メジャーデビューするには、上記の中から「自分が所属したい大手のレーベルからCDを出す」というくらいの感覚で良いかと思います。もっとわかりやすく言うと、あなたが就職活動中の学生だとして、パナソニックやソニーといった大手有名企業に就職したいか、もしくはそこまで有名ではなくてもきちんと上場していて、それなりに実績があるところに就職したいか、を選ぶようなものです。
ちなみに、もし日本のトップレーベルを選ぶのであれば、資本形態やその歴史も踏まえると、「ワーナーミュージック・ジャパン」、「ユニバーサル ミュージック」、「ソニー・ミュージックレーベルズ」、「エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ」の4社くらいでしょうか。
この4社のどこからかデビューできたとすれば、堂々と胸を張って「メジャーデビューしました!」と言うことができるでしょう。
メジャーデビューに向かって突き進む覚悟はありますか?
メジャーデビューするには、その強い覚悟が必要不可欠です。
この覚悟がないと、どんな方法を知っていても絶対にやり抜くことができません。
まず、音楽だけでなく、何事もそうですが、棚からぼた餅的な夢のような話はないことを事前にお伝えしておきます。
時々インディーズのアーティストの方と話していると、以下のような思考回路が見え隠れする場合があります。
「自分達が信じる音楽を追求する」
↓
「勝手に人が集まってくる」
↓
「レコード会社の誰かが見てくれている」
↓
「その才能に惚れ込んでスカウトされる」
↓
「鮮烈なメジャーデビュー!」
真剣に音楽に取り組んでいるインディーズバンドであれば、こんなに甘い話はないということはわかっていると思いますが、もしこういう考えを無意識のうちに持っている人がいれば、考えを改めたほうがいいかもしれません。
実際はもっともっと地道です。
音楽を仕事にするということは、いわばビジネスと同じです。
メジャーデビューするには、自信を持って「売れる」という商品を生み出し、宣伝し、人を集め、お金を払ってもうために、死に物狂いの努力が必要です。もし当初生み出した商品が売れなければ、その商品自体を疑い、もっと洗練化させなければならないかもしれません。
そもそも市場にアンテナがはれておらず、売れると思う商品が、自己満足で終わっているかもしれません。
あくまでも例ですが、男4人バンド編成でやりたくても、その編成が市場に溢れていて差別化が難しければ、ドラムだけあえて女の子にするといったことも必要かもしれません。また、あなたが男性であれば、ボーカルの自分以外を全て女性にしたほうがいいかもしれません。王道の流行りのロックをやりたくても、その音楽で競合バンドに勝てないと思えば、ロックの要素にジャズや和の要素などを取り込んで、特異性を出す必要があるかもしれません。
音楽を仕事にし、「売れる」ということは、そういったことを脳から血が出るくらい考えるということです。もしそれが、嫌であり、夢がないと感じるのであれば、音楽を仕事にすべきではないと思います。自分達の好きな音楽を好きなペースで続けていくほうが幸せです。
ここまでの話を受けて、それでもメジャーデビューしたい、と思うのであれば、ある程度の覚悟は備わっていると思います。
さらにドロドロとしますが、「メジャーデビューするにはどうすればいいか」、その具体的な方法をお話していきます。
メジャーデビューするにはどんな努力が必要?
まずどこのメジャーレーベルもそうですが、ボランティアではなくビジネスとして音楽を考えている、ということを頭に入れてください。
その上でメジャーレーベルがあなたを受け入れるかの判断基準はただ一つ「お金になるか」です。
よって、あなたはメジャーレーベルに対し、「自分と契約すれば会社の利益になる」ということをアピールしなければなりません。
利益は契約してすぐ、でなくてもいいです。「将来的に」でもいいでしょう。とにかく、会社にとってメリットになるということを根拠立てて証明しなければなりません。
また、今音楽業界はCDが売れず、どこの会社もかなり大変な状況に陥っています。ひと昔前までは才能だけを買ってくれ、先行投資で無名のインディーズバンドにもたくさんのチャンスを与えてくれたでしょう。今はそのハードルが上がり、投資するためには、それまでのアーティストの実績が大きな判断基準となっています。
ではその実績をどこで測るのでしょうか?
それは、客観的な数字です。
メジャーデビューするには、以下のような客観的に測ることができる実績が必要でしょう。
- ワンマンライブ観客動員数:300人以上
- YouTube動画再生回数:20万回以上
- CD総販売枚数:1万枚以上
他にも色々とありますが、最もわかりやすい評価指標はこういった数字でしょう。
最低限上記の数字は達成すべきです。
ではこれらの数値を達成するために何をやっていけばいいか、さらにブレークダウンしていきましょう。
インディーズバンドにとって、ライブ観客動員数の最初の壁がまずは50人と言われています。
ここまではワンマンライブを実施することもままならず、対バンなどでファンを少しずつ獲得していっているバンドがほとんどです。
次の壁が150人です。ここまでは本気で音楽に取り組み、実力があるバンドであれば達成可能な数字でしょう。
しかし次の壁、300人の手前で多くのインディーズバンドが挫折してしまいます。ではこの300人を達成するためにはどういった行動が必要なのでしょうか?
単純にライブを何となく重ねていては、「絶対に」この数字には届きません。
たとえば親戚や友達、知り合いの知り合いに声をかけ、ライブに来てもらうような泥臭い営業が必要になります。また、YouTube動画に毎日自分達の音楽を上げ続け、一人でも多くの人に来てもらうきっかけを作る必要があります。ライブ開催地以外の県から来てくれる人には「チケット代半額」、みたいなことをやってもいいかもしれません。
とくにかく、いろんな人に頭を下げたり、観客動員数を増やす施作を考える必要があります。影響力がある知り合いの知り合いなどがいれば、その人にアプローチすることも重要です。
「こんなことして何になるの?付き合いで来ても仕方がないじゃない。」
と思うかもしれません。
しかしそうではありません。付き合いでもなんでも、まずは自分達の音楽に触れてくれる人の数自体を増やさなければいけません。
100人のうち、あなたの音楽を好きになる人が10人いるのであれば、単純に300人に聴いてもらえればその数は30人になります。
泥臭い営業をしながら、ワンマンライブを何度も繰り返せば、その数だけ、少しずつですが確実にファンが増えるはずです。
また、付き合いであっても「300人のワンマンライブをやった」ということが実績になり、次のライブでは必ず最初の頃よりは人を集めやすくなります。そうしているうちに、毎日上げているYouTubeの動画にもアクセス数が増えてくるはずです。ライブで売るCDの販売枚数も増えていくでしょう。
続けているうちにどこかでブレークし、飛躍的にライブ動員数や動画の再生回数、CD販売枚数が伸びるかもしれませんし、地道に続けるしかないかもしれません。
しかし、ブレークするにせよしないにせよ、これが一番確実な方法で、もっと言うとこの方法しかありません。
肝心なことは「ただライブをやる」のではなく、「泥臭く営業してでも来てもらう人を増やす」ということです。
他のインディーズバンドと差をつけ、上記で挙げた数値を達成するためには、これを愚直にやれるかどうかだけのことです。
しかしこのことは恐らく他のバンドに聞いても、誰も言わないでしょう。
なぜなら「かっこ悪いこと」だからです。
でも売れてるバンドは必ずやってます。この「かっこ悪いこと」をどれだけできるかが、成功できるかどうかの差です。
さて、ではこの後、どうやってメジャーレーベルに売り込んでいけばいいのでしょうか?
メジャーデビューするには、ここで達成した数字を根拠材料として、自らの音楽と一緒に売り込んでいくべきでしょう。
売り込み方はデモテープを送ったり、オーディションであったり、様々だと思います。
大事なことは、自分達の音楽を聴いてもらい、その上で達成した数字を応募書類なり、口頭なりでPRしていくことです。
そうすれば、企業側は以下のように考えます。
「音楽性やパフォーマンスは素晴らしい」
↓
「うちで売り出して本当に売れるのだろうか?(損はしないだろうか?)」
↓
「でも自分達だけでワンマンライブで300人動員し、CDも1万枚以上売れていて、またYouTubeの再生回数も20万回を超えている」
↓
「今の若者、市場に受け入れられる魅力があるに違いない」
↓
「レーベルとしてバックアップし、宣伝費をかければもっと売れるはず」
こう考えさせることができれば、あなたのバンドは「投資に値する」と判断されたことになります。
そしてその判断根拠となる強烈な材料が、これまでに達成してきた客観的な数字です。
音楽性だけで「売れる」、「売れない」というのもある程度あるかと思います。
しかし、音楽とは、どこまでも主観的なものであり、絶対に「売れる」「売れない」というのは最終的には誰にもわからないものです。
しかも特に現代の音楽シーンでは、趣味趣向か多様化し、何が売れて何が売れないか、わかりにくくなっています。
十分な実績なく、音楽性だけで攻めていき、メジャーデビューを勝ち取ることはあまりにも無謀な挑戦です。
数字は嘘をつきません。客観的な数字を追い求め、レーベル側に突きつけられるくらいの根拠があれば、いやでもメジャーデビューさせることになるでしょう。
なぜなら、メジャーレーベルはその数字を達成するために仕事をし、成り立っている商売なのですから。
さて、今回はメジャーデビューするにはどうすればいいか、ということを考察してきました。
「夢も希望もないことを言いやがって」と幻滅されたかもしれません。
しかし、こういうことを考えることが「音楽を仕事にする」ということです。
音楽市場の中に入り込み、その中で生きていくということは、利害関係者にどうやって利益をもたらすか、ということを考えなければいけないのです。音楽に限らず、皆世の中の人はそういうことを考えながら仕事をし、生きています。
それを好きな音楽でやるか、興味のないことでやるか、の違いだけです。どうせなら、好きな音楽で、そういった地道なことをやっていきたいですよね。
簡単に言うと、音楽も、別の仕事も、売れるためにやることは皆同じ、ということですね。
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